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あ~、幸せ

日曜日から中国・煙台に行っていました。  帰りに『遠回りがいちばん遠くまで行ける』(有川真由美著 幻冬舎刊)を読みました。  抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①父は大正生まれで、まるっきりサービス精神というものがない人でした。  プレゼントどころか、お土産すら買うこともなく、家事も一切しない。

②私が、「そんな人、夫にするのは絶対嫌」と言うと、母は笑いながらこう答えました。  「あら。  いてくれるだけでいいのよ。  なんにもいらないわ」  (中略)

③そして、その言葉を再び聞いたのは、30年以上、闘病生活を送っていた父が亡くなったときのこと。  涙を見せることはなく、寂しそうな笑顔で、「いてくれるだけでよかったのにね」。

④たしかに、父は、特別なことはなにもしないけれど、愚痴や不満を言うことはなく、食事をしたり、散歩をしたりするだけで、すぐにご機嫌になる人でした。  幸せになりやすい父と一緒にいた母は、まちがいなく幸せな人だったのでしょう。  (中略)

⑤心の品格のない人は、どれだけあっても足りないと不満を言う人。  心の品格のある人は、いまあるもので幸せになろうとする人なのでしょう。  本当に大切なものは、特別なものではなく、あたりまえにそこに存在しているのです。

⑥そういえば、私も父からプレゼントをもらったことがありません。  でも、父から贈られたものは、かぎりなくあります。  そのひとつが、日常のなかで、「あ~、幸せ」とつぶやくクセ。

⑦忙しいときは、食事をするのも、お茶を飲むのも、お風呂に入るのも、なんの感慨ももたなくなりますが、「幸せ~」とつぶやくだけで、心がこめられて、深くしっかりと味わおうという気分になるのです。

⑧幸せとは、特別な〝状態〟ではなく、毎日の生活のなかから、甘美な〝一瞬〟をとらえて、味わうこと。  大きな幸せが稀(まれ)にあるよりも、小さな幸せが頻繁にあったほうが、幸せ度は高いように思います。

⑨じつは、「あたりまえ」のようにあるものはすべて「奇跡」的に成り立っているもの。  なくしたときに、それが、かけがえのないものだったと気付くはずです。  

幸せになろうとするなら、幸せになろうとがんばるより、幸せに気づく感受性を高めたほうがずっと近道なのです。』

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