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フォアマンとタイソン

7月20~22日は中国・煙台出張でした。  東京から直行便がないので往復で4回飛行機に乗ります。  機中で読んだボクシング関係の本2冊から抜粋し、番号を付けて紹介します。

1.『マイノリティーの拳』(林壮一著 新潮文庫)

(ジョージ・フォアマンがモハメド・アリに世界タイトル戦で8ラウンドKO負けしたことを語っている部分から)
『①苦しみ抜いて、やっと一つの解答に行き着いた。  1974年10月のあの日、アリは私に無いものを持っていた。

②アリが私よりも強かったのは、「敗北の意味」を知っていたからだと思う。  彼もフレージャーとノートンによって、打ちのめされていた。  二つの敗戦を乗り越えたうえで、私との試合を迎えたんだ。

③「誰も自分を倒せる者などいない」と信じていた相手に対し、アリは戦略を練り上げ、十分過ぎるほどの準備をした。  私のなかにエゴも感じたんだろうね。  そして、裏をかいたんだ。

④〝負け〟を知り、そこから這い上がったファイターっていうのは強いのさ。  ボクサーとしてだけでなく、人間としてもね。  そのまま潰れてしまう選手が多いなか、アリは本当に偉大だよ』


2.『真相』(マイク・タイソン著 棚橋志行訳 ダイヤモンド社)

(1980年10月、モハメド・アリが4度目の世界王座返り咲きをかけてラリー・ホームズに挑戦し、11ラウンドTKO負けした翌朝のできごとから)
『①翌朝、アリの側近のジーン・キルロイがカス(タイソンのトレーナー、カス・ダマト)に電話をよこして、アリに代わった。

②「なんであんな下手くそにやられたんだ?  あいつは下手くそだ、モハマド、あいつは下手くそだ。  ・・・・・・いいや、あいつは下手くそだ。   ・・・・・・そうじゃない、あいつは下手くそだ。  なんであんなやつに打たれた?」

③カスの話に聞き耳を立てていたが、彼が「下手くそ」と口にするたび、身を切られる思いがした。  俺は泣き出した。

④そのあと、カスは俺を仰天させる行動を取った。  「うちに居候している若い黒人がいる。  まだほんの子ども(当時14歳)だが、いずれヘビー級チャンピオンになる男だ。  マイク・タイソンというんだ。  こいつと話してやってくれないかな、モハメド。  俺の言うことをよく聞けと言ってくれ」

⑤カスは俺に受話器を渡した。  「昨日は残念でした」と、俺は言った。  突然のことでなんて言ったらいいのかわからなかったんだ。  「体調を崩していた」と、アリは言った。

⑥「薬を飲んだら、逆に体がいうことをきかなくなった。  だからホームズにやられたんだ。  よくなったら、カムバックして、必ずホームズを倒すさ」

⑦「心配いらないよ、チャンプ」俺は言った。  「俺が大きくなったら仕返ししてやるから」』

アメリカの本って大著が多いですよね。  本書もなんと669ページです。  機中で持ち上げて読むのは大変でした(笑)

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