PREV | PAGE-SELECT | NEXT

『見』

明けましておめでとうございます。  今年もよろしくお願いいたします。

1.昨年の12月20日にも紹介した『安売り王一代』(安田隆夫著 文春新書)の『ツキのない時は「見」を決め込む』の項から抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①ツイている時は思い切りビッドを張って勝負に行くべきである。  しかしツイてない時、もしくはどちらか分からない時は、じっと耐えて何もせず、ひたすら守りに徹するのが得策だ。

②ツキのない時の悪あがきは、それがなんであれ、十中八九無駄骨に終わり、往々にしてさらなる劣勢を招くことになる。  少なくともこのメリハリと使い分けが、私の人生と仕事における最大級の成功ノウハウとなった。

③ともあれ、ツキのない時は「ここは堪えどき」と泰然自若として構え、冷静沈着に情勢を観察・分析しながら、自ら下手な動きをしない。  そうしていれば、ツキや勝機といったものは、向こうから自然に転がり込んでくるものである。  ゲームで言えば、相手がオウンゴールを打ってくるようなケースもままある。

④意識的にそんな状態に自分をコントロールすることを、私は「見(けん)を決める」と呼んでいる。  少なくとも経営者は「見ができなければ一流じゃない」と私は思っているし、実際のビジネスでも、「いい見をするといい運がやってくる」ものだ。  いずれにせよ「見」とは「注意深く見て何もするな」ということである。

⑤ドンキは一号店創業以来、三度のバブルとバブル崩壊を経験している。  そうした経済の激動と浮沈にもまれながらも、当社はこの間、一貫した増収増益による成長路線を歩むことができた。  それを可能にした大きな要因の一つに、この「見」の姿勢がある。

⑥私はこれまで、バブルの時は「見」を決め込んでいっさい動かず、逆にバブルが崩壊するや、手のひらを返すようにして店舗物件用の土地や不動産の確保、あるいは企業のM&A等を積極的に仕掛けてきた。  少なくともそれが、今のドン・キホーテ発展における原動力になったことだけは確かだろう。

⑦ともあれ、成功者と失敗者の分かれ目は、この「見」ができるかどうかにある。  これも私が体験的に会得した最大級の教訓だ。』


2.本書の第1章に『麻雀で糊口をしのぐ』という項があります。  慶応大学卒業後に就職した不動産会社が入社十カ月後に倒産し、その後しばらく麻雀で生計を立てていたそうです。  その項からも抜粋し、番号を付けて紹介します。

『①失業後、生活費はすぐさま底をついた。  私は明日どころか今日の飯の心配をしなければならないほど追い詰められた。  (中略)  追い詰められた私は、また一計を案じた。

②私には一つだけ特技がある。  そう麻雀だ。  大学を卒業する頃の腕前は、プロ顔負けのレベルに達していた。  (中略)  ここで負けたらもう後がないという崖っぷちのような勝負を、私はギリギリの思いで幾度も勝ち抜き、糊口をしのいだ。  (中略)

③プロ雀士との息詰まるような真剣勝負の中で、「運気の流れ」「勝負の勘どころ」などを見抜く力を身につけたと思っている。  ツキのない時は無理せず「見」を決め込む。  その姿勢が身についたおかげで、大やけどをせずに済んだこともたくさんあった。  だから、当時の生活がまったくの無駄だったとは思わない。』

今から20年ほど前に一度だけ安田会長と麻雀をやったことがあります。  大敗を喫しました(笑)

TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT